• ¥ 1,944 SOLD OUT
  • ■在庫終了しました 高知市内では金高堂書店本店様にてお取り扱いをいただいております。 まだ金高堂書店さんの方には十分に在庫がありますので、ぜひお問い合わせください。 http://www.kinkohdo.co.jp/ --- 激動の昭和、そして平成初期にかけての「あの頃」、高知の街は今よりもずっと元気でした。 東京へはYS11が一日数便しか飛んでいなくて、瀬戸大橋も高速道路もまだまだ遠い未来の話。スマホもネットももちろんなくて、テレビも民放が2局しかなかった時代。 だけどそのぶん、今よりもずっとたくさん、街には人の「居場所」がありました。珈琲を飲みたいと思えば純喫茶や音楽喫茶があり、お酒を飲みたいと思えば居酒屋はもちろんのこと、カクテルバーやジャズバー、スタンド、スナック、ラウンジ、キャバレーと、今ではあまり聞くことのない業種も含めさまざまなスタイルのお店が、お客さんを待っていてくれたのです。 人口30万人たらずのコミュニティの中で、あらゆる用事はこの街の中で済ませることができました。街は、今よりもずっと濃かったのです。もちろん、今でもたくさんのお店が高知の街にはあります。街並みははるかにきれいになりました。だけど、「あの頃」に比べると、街はずいぶん大人しくなってしまったのではないか、とも思うのです。 この本には、高知の街の「あの頃」を偲ぶことができる、たくさんのマッチを掲載しています。そのデザインは決して洗練されたものばかりではありませんが、数多の商いがこの街の活気を支えていたことを窺い知ることができます。 ひとつひとつのマッチの向こう側には、たくさんの物語があったはずです。いかにも小さい店構えであったであろうスタンドで、いつまでもクダを巻く酔客に手を焼くママ。1ドル360円のまだまだ海外が遠かった時代、ヨーロッパへの憧れいっぱいの店名をつけたマスターと、その雰囲気を楽しむお客さん。喫茶店で、バーで、毎日繰り返されるたくさんの色恋沙汰に、終わることのない議論、果てしないケンカ。 いまやマッチ自体が時代の遺産になりかけていますが、当時を知る人には、「あの頃」のことを思い出してホロリときてほしいです。当時を知らない人には、「あの頃」の高知の街のことを想像してニヤリとしてほしいです。 本書で紹介しているマッチの大部分は、ギャラリーgraffitiの信田英司氏が2009年10月1日から12日までの期間に開催した「高知遺産 マッチと町」展で展示されたものです。長崎雅代さんから寄せられたマッチや信田氏がコレクションしてきたマッチを中心に展示し、会期終了後まもなく書籍化の話があがりながら、こうして一冊の書籍にするまでに9年もの歳月が経ってしまいました。 ※1冊のお買い上げの場合はスマートレター(180円)を、2冊お買い上げの場合はレターパック(360円)を選択してください。それ以上の冊数をお買い上げの場合には、お手数ですが1-2冊の単位で分割して注文してください。 ▪️目次 まえがきー「あの頃」が良かったのかどうかはわからないけど、ちょっと羨ましい。 帯屋町 ジャズ喫茶木馬のはなし。 京町/新京橋/中央公園 viva! cabaret! 追手筋/廿代町/柳町 街がお洒落を教えてくれた。〜BAR フランソワにて〜 はりまや町/南はりまや町 EUROPE LOVE! 〜欧米へのあこがれ〜 土電会館ストーリー 県庁前/中島町/堺町 串カツ、葉牡丹、堺町。 下知 GOOD DESIGN MATCH 潮江 愛宕/小高坂 高知の街と喫茶店にまつわるミニデータ 喫茶店文化と、現代企業社 解 説ー高知の盛り場、その変遷 あとがきーお街にネット、スマホ、コンビニがない時代。 ▪️2018年12月1日発行 発 行:マッチと街出版委員会 企 画:信田英司 進 行:町田律子 文・編集・デザイン:タケムラナオヤ(Takemura Design & Planning) 文:高橋さよ 写 真:武吉孝夫、井戸宙烈(studio.ZONE V) 特別協力:金高堂書店 ▪️現在の主な取り扱い店舗 ※下記書店でも取扱が終了している店舗もありますので、あらかじめお問い合わせください ※金高堂書店本店ではマッチ現物展示も含め大量に取り扱っております! 高知県内 金高堂書店(本店、朝倉BC、土佐山田店、野市店、医大店) 高知蔦屋書店(終了) TSUTAYA(中万々店、須崎店ほか) 宮脇書店(イオン高知店、高須店) メフィストフェレス、竹村活版室、POURQUOI、terzotempo、もりたうつわ製作所 池袋ーポポタム 上野ーカストリ出版 中野ータコシェ 銀座ー銀座蔦屋書店(終了) 渋谷ー渋谷ヒカリエ8F d47 MUSEUM(終了) 代官山ー代官山蔦屋書店(2月5-6日頃より再販) 京都ー誠光社    ホホホ座浄土寺店 大阪ーシカク 岡山ー451books 広島ー広島蔦屋書店(終了) 尾道ー古本屋弐拾db 高松ーkitahama blue stories    solow 松山ー本の轍-Book On The Tracks- 盛岡ーBOOKNERD 仙台ーボタン 郡山ーGo Go Round This World! Books&Café つくばーPEOPLE BOOK STORE ※在庫状況などにより取り扱いがない場合もありますのであらかじめご了承ください ※「マッチと街」は自費出版による刊行物です。ISBN/JANも未取得ですが、お取引いただける書店様や雑貨店様がもしおられましたら、ぜひ「Contact」よりご連絡ください。委託は5冊、買取は10冊からお届けします。 ※高知県内の書店様については、金高堂書店様に配本を一括してお願いしておりますので、ぜひそちらへご連絡ください(不明な場合には取り次ぎしますので、「Contact」から書店名、連絡先、担当者名などご連絡くださいませ)。

  • ¥ 2,000 SOLD OUT
  • ▪️14年ぶりに復刊? 2005年4月に発刊されたもはや伝説のローカル本「高知遺産」。 2018年12月に発行とあいなった「マッチと街」の前身ともいえる書籍で、ただのマニアックなローカル本としては異例の7000部を完売しました。「マッチと街」と同じく、企画は信田英司、編集・デザインはタケムラナオヤ。そのほか、「マッチと街」で写真を担当した井戸宙烈ほか30名あまりのメンバーが関わっています。 ということで、本書のPDF版による復刻販売を計画しています(ダウンロード販売またはUSBによる販売ですが、詳細は未定)。いつになるかはまだ未定ですが、250の選定遺産のうち100箇所程度は現況写真をおまけで添付、比較ができるようにするつもりです。 ▪️書籍のテーマは、「失う前に、もう一度」。 1998年の高知IC開通以後、高知の街には巨大なイオンモールができ、コンビニができ、道路ができ・・・と遅過ぎる都市開発の波の中で急激な変化を続けていました。 その中で私たちが考えたのは、変わりゆくことは仕方がないが、忘れることはもったいないということ。だから、もう一度街を歩いて、記録しておこう。そんなシンプルなテーマでまとめた一冊です。 本書には、当時再開発の真っ最中だった高知駅界隈、2018年現在一気に再開発が進む旭駅界隈、浦戸や御畳瀬といった海岸部といった地域のほか、銭湯や赤線、古い倉庫、路地、看板、トタン建築、里山、石垣に至るまで、出版に関わった30名のメンバーの関心の赴くままに高知各地から選んだ250の「遺産」が掲載されています。 ▪️2005年4月18日発行 発 行: ART NPO TACO 企 画:信田英司 編集・デザイン:タケムラナオヤ(Takemura Design & Planning) 写真管理:井戸宙烈(studio.ZONE V) イラスト:和田千晶・井上聡子 写真撮影:タケムラナオヤ、井戸宙烈、岡本明才、尾崎誠一、梶原希美、堀内晃ほか 特別寄稿:デハラユキノリ、村岡マサヒロ、加賀谷哲朗 ----参考----------------------------------------------------------- 高知遺産〜「歩かない」街で 竹村直也  いま、日本のどの街を訪ねても、郊外には同じ風景、同じ店、同じサービスばかりが広がっている。郊外に生まれ、郊外に育った大人は、その同一性にどこかで安心をし、街中の路地にある小さな店には見向きもしない。大都市では、郊外から都心へ回帰する流れも見え始めた。だが、“周回遅れ”の田舎の街では、そういうわけにもいかない。そして、郊外の持つ破壊力は大都市の比ではない。郊外が栄えれば、その分街中は確実に廃っていく。  街はそれぞれ異なる気候や歴史、産業を持ち、そこで獲得される景観も異なる。それぞれの景観の中で発生する人と人との交わりようも、言葉も、店の門構えも、売られているものも、何もかも異なる。だからこそ、他所の街を見てみたいなあと素直に思うし、素直に感動することができる。その街が、街ごとに持つ「物語」。これがあるから、私は街に暮らすし、住みたい街に暮らしたいと自然に欲求してきた。だが、それが均一化されれば、街は街たるゆえんを失う。  9年前、私は住み慣れた関西から四国の高知へ帰ってきた。この街には、毎週日曜日に日の出から日没まで数百の露店が並ぶ日曜市がある。村から出てきたオババが持ってきた野菜やお菓子、田舎寿司、果ては庭石まで買うことができる日本最大最古の街路市だ。そして、夏には2万人近い踊り子たちが街の至る所で踊り狂う「よさこい祭」があり、街中には美味しい魚の食える店がいくつも並び、気持ちのいい音楽の聞けるバーがいくつもある。たったの30万人足らずの街だけど、この街に広がる「物語」の多さは決して大阪や京都に引けを取らない。  だが、もしこんな高知の街の「物語」がなくなってしまえば、この街はどうなるだろう。この9年で、高知はずいぶん変わった。街の北を抜けるバイパス沿いには四国最大のイオンができ、街を取り囲むようにヤマダ電機やユニクロ、ファストフード、大きなスーパーが立ち並ぶようになった。一方、街一番の交差点にあったデパートとホテルは相次いで消え、その跡地利用もままならぬまま3年が過ぎた。高架になる駅の界隈は一切合切が薙ぎ払われ、大きな道と安っぽい建物がかわりにできた。街全体を見渡せば、耳の遠いオババがやっているような商店は姿を消して、かわりにコンビニばかりが目立つようになった。  この街が変わりだした時、たくさんの人が「ようやく高知も都会らしゅうなってきた」と喜んだ。他所の街なら当たり前にあるものが高知には無かったから、周回遅れの“都会的なるもの”の登場を素直に喜んだ。日曜市やよさこい祭り、そして普段の買い物やデートといった「物語」の舞台だったはずの街が寂れても、それは本当の「都市」への発展過程での変化だと捉え、危機感も寂しさも抱かなかった。  だけど、他所の街に当たり前のものが無かったから、この街には他所の街にない「物語」がたくさん残されていた。オババの店は品揃えは悪いけど、いつもたくさんのオマケをつけてくれた。マニュアル通りの応対に酔いしれる店員ばかりのコンビニでは、それはおよそ叶わない。日曜市はそうした「物語」が息づく最後の牙城ということになるけれど、開市から400年を経た最近になって出店数が減り始めたという。なるほど、お店に座っている人たちはほとんどがお年寄りだ。  こんな危機感のなか、仲間たちと一緒に一冊の本をつくった。その名も『高知遺産※』。まさに世界遺産のパクリから始まった企画だが、この本には下町の建物から美味しい饅頭や酒の話、銭湯や看板建築のカタログからチョンの間体験談まで、数にすると250の「遺産」がぎゅっと詰まっている。その多くがこの数年で街の片隅へと追いやられたものたちばかりで、出版してから2年のうちに実に50近くが跡形もなく消えてしまった。  消えてしまえば、忘れてしまう。だけど、男と女の関係がそうであるように、消えてはじめてその大切さや愛おしさに気づくことがある。この本の副題は「失う前に、もう一度」。今までは失ってはじめて「ああ〜あの風景が!店が!」と悔やんできたけど、そうなる前にこの街の愛おしさや大切さを考えてはどうかと、ただそれだけを言いたくて作った本なのだ。  さて、どうやら愛おしいものは控えめにしているものらしい。時速60kmで走っていては気付かないようなところに、それはひょっこり現れる。だから、250の「遺産」を巡ろうとすれば、自然と車を降りて歩かなければならない。この路地のむこうになにがあるのか? この暖簾の先に誰がいるのか? 小さな期待に胸を膨らませ、歩いて話して食べてみる。そして、最後に考えてみる。なぜ、それが愛おしいのか? なぜ、これが大切なのか?   だから、私たちはこの本をつくるために街をとにかく歩いた。普段は滅多に乗らない路面電車に乗り、知らない電停で降りてわくわくする場所を探し求めた。「このあたりを2時間歩き、写真を50枚撮って、その写真一枚一枚に素敵な言葉をつける」ことを条件に歩いたりもした。そうすると、これまで知りもしなかったような場所に飲屋街とアパートが雑居した北京の四合院のような建物を発見し、いつも通る道沿いに素敵な細工が壁に仕込まれた家を発見したりした。  田舎街では、いかにして「歩く」という機会をつくりだし、いかにしてこの街の楽しみを「発見させるか」ということが重要だ。“都会的なるもの”は、街から「歩く」機会を奪い、街からひっそりと消える「物語」に目を向けさせない。いくら私たちが歩いてみても、いくらこの本が売れていても、それ以上の速度で郊外には鈍い槌音が響いている。(OSOTO第3号 大阪府公園協会刊より 2007年)